介護報酬の「加算」は収益の重要な柱ですが、算定要件を満たしていなかった場合、過去に遡って返還が生じることがあります。買収後に発覚すれば、想定していた収益力が崩れるだけでなく、返還負担や行政対応まで背負うことになりかねません。
加算とは: 体制や取り組み(職員配置、研修、記録等)の要件を満たした事業所が、基本報酬に上乗せして算定できる報酬です。要件を満たさず算定していた場合、自主点検や運営指導を通じて過誤調整(返還)となることがあります。
なぜM&Aで問題になりやすいのか
- 返還は過去分に遡るため、買収前の期間の問題が買収後に表面化する
- 要件の解釈を誤ったまま長年算定しているケースでは、金額が積み上がっている
- 決算書には表れないため、財務DDだけでは見つけにくい
リスクが潜みやすいポイントの例
- 体制系の加算: 職員配置・資格・常勤換算が要件を満たし続けているか
- 研修・会議・計画が要件どおり実施され、記録が残っているか
- 算定根拠となる記録(提供記録・議事録・研修記録)と請求データの整合
- 過去の運営指導・監査での指摘事項と、その後の改善状況
買収前にできる手当て
買収前調査(DD)で算定中の加算の要件充足を確認し、疑義があれば金額影響を見積もったうえで、価格・契約条件(表明保証や補償の条項)に反映することが考えられます。契約への反映は弁護士と、会計・税務上の取扱いは公認会計士・税理士と連携して進めます。
yfcの介護事業DDでは、運営指導対策の知見を使って加算の算定実態を確認します。買収後の適正化(取りこぼしている加算の取得を含む)までを一続きで支援できるのが特徴です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件への助言ではありません。法令・介護報酬・税務・労務に関する事項は改正されることがあり、最終的な判断には弁護士・公認会計士・税理士・社会保険労務士等の専門家による確認が必要です。