介護事業の買収では、財務DD・法務DDに加えて「介護事業運営のDD」が欠かせません。ここでは、yfcが調査で用いる視点を領域別に紹介します(実際の調査範囲は案件に応じて設計します)。
領域別チェックポイント
指定・許認可
- 指定の有効性、指定更新の時期、変更届の提出状況
- 行政指導・処分・改善報告の履歴
人員基準・運営基準
- 職種ごとの配置と常勤換算の充足(直近だけでなく推移)
- シフト・タイムカード・記録の整合、運営規程・重要事項説明書の整備
加算・報酬
- 算定中の加算の要件充足と記録、過誤・返還の履歴
- 請求データと提供記録の整合
組織・人材
- 管理者・キーパーソンへの依存度と後継体制
- 離職率・平均勤続・採用チャネル、処遇水準の地域比較
事業の実態
- 稼働率・利用者数の推移と季節性、要介護度・年齢構成
- 紹介元(ケアマネジャー・医療機関)の分散、地域の需給・競合
財務・労務・契約(専門家と連携)
- 実質収益力(役員関連取引の調整後)、必要投資・修繕(会計士・税理士)
- 未払残業代等の潜在債務、社会保険の適正加入(社会保険労務士)
- 賃貸借契約の承継可否・原状回復義務、リース、借入金・経営者保証、訴訟(弁護士)
- 補助金・助成金の返還条件・承継可否
チェックリストより大切なこと
項目を埋めることが目的ではありません。「買収後、この事業所を安定して運営できるか」「価格と条件はリスクに見合うか」に答えることが目的です。そのためには書類の突合だけでなく、現場を見て、人の話を聞くことが欠かせません。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件への助言ではありません。法令・介護報酬・税務・労務に関する事項は改正されることがあり、最終的な判断には弁護士・公認会計士・税理士・社会保険労務士等の専門家による確認が必要です。